2014/12/07 up!
アロマで妊活?
アロマセラピーというと、エステティックやリラクセーションのイメージを持たれる方が多いと思いますが、元々は医療としてスタートし、発展してきた歴史があります。
しかし、日本では法的に医療としては認められていませんから、あくまでリラクセーションの域を超えるものではありません。けれど、必要な医学知識と資格を持つアロマセラピストは日本にも存在し、メディカルな側面からアロマセラピーをおこなっています。
どうしてアロマセラピーは妊活にも有効なの?
私が所属する医療チームでも、アロマセラピーの効果をよく理解していただき、妊娠成功率の向上に貢献しています。では、どうしてアロマセラピーは妊活に有効なのか、順を追ってみていきましょう。
アロマとは、日本語で香りのことを言います。「香りを嗅ぐ」と言いますが、どんな香りかを最初に感じるのは鼻、つまり嗅覚ですね。いい香り、いやな香り、嗅ぐことでいろんな反応が出てきます。嗅覚は先史時代、それが安全か危険かを嗅ぎ分ける重要な器官として発達しました。まさに動物的な器官、本能的な部分(=大脳辺縁系)と直結する唯一の感覚器なのです。
アロマセラピーでは、身体へのアプローチを大きく二つに分けることができます。一つは今おつたえした嗅覚を利用したアプローチ、もう一つは血液循環を利用したアプローチです。それでは、嗅覚を利用したアプローチからみていきましょう。
嗅覚にはたらきかけるエッセンシャルオイル
アロマセラピーの主役は、精油です。精油はエッセンシャルオイルとも呼ばれ、植物の花や葉、根などから抽出されます。精油は、抽出されるものによって、含まれる成分や香りが異なり、アロマセラピストはその中から症状に適した精油を選択し、その都度調合します。
妊娠しづらい方の場合、無意識の緊張が身体に生じやすく、しかもほとんどの場合、自覚症状がありません。やがてそれは自律神経のバランスをくずし、妊娠力を下げることになります。ですから、まずはリラックスさせることが最優先です。その方の好きな香り、安心できる香りを選んでいただき、リラックスへと導きます。何よりも”好きな香り”が優先される理由は、先ほどのとおり、嗅覚にあります。嗅覚は、本能的な部分と直結する唯一の感覚器ですから、脳が判断する前に先に反応してしまうんですね。理性ではコントロールできない器官なのです。まずはそこをクリアすることが、アロマセラピーの大きな役割の一つです。
