子育てしながら復職準備をしよう

知っ得!妊娠・出産・育児のための法律

産後休業が終了すると、続けてその子を養育するための休業を申し出ることができます。これを育児休業といいます。原則、子の1歳の誕生日の前日までですが、保育園に入れない場合などは1歳6か月に達するまでの間に休業することができます。

正社員じゃないと育児休業はとれないと思ってあきらめていませんか?育児休業は男性も女性も、また正社員だけでなくパートやアルバイトであっても取得できますよ!
申出時点においていくつか条件がありますので、さっそくみていきましょう。

育児休業のための条件とは?

大きくは、

  • 同一事業主に1年以上雇用されていること

  • 子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用される予定であること(ただし、子が2歳の誕生日の前々日までに労働契約が満了する場合を除く)

の二つです。他にも「労使協定(会社との取り決め)」により、週の所定労働日数が3日以上であることなどの条件がある場合があります。

育児休業の申出は原則1回で、育児休業を開始しようとする日の1か月前までに申し出なくてはなりませんから、気をつけましょう。

「パパママ育休プラス」ってなに?

平成22年に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の実現の一環として、この制度が出来ました。
共働きで、両親ともに育児休業する場合の特例として、子が1歳2か月になるまでの間に、両親それぞれ1年間育児休業を取得することができます。

この制度にもいくつか条件があります。

■パパが利用する場合の条件

(ママが利用する場合は、逆に読み替えてください。)

  • ママが、子が1歳の誕生日の前日以前に育児休業していること。
  • パパの育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること。

  • パパの育児休業開始予定日が、ママの育児休業期間の初日以降であること。

たとえば、ママの職場復帰が円滑にできるよう、1歳の誕生日前からバトンタッチするケースなどが考えられます。

育児休業給付金をもらおう

育児休業中は、ほとんどの場合で無給となるでしょう。その間の生活の保障として、一定の要件を満たすと、育児休業給付金を受けとることができます。

受け取るための条件は、雇用保険の一般被保険者であること。そして、育児休業開始日前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることです。

  • 受け取れる期間:子の1歳の誕生日の前々日までの期間(一定の場合1歳2か月・1歳6か月)が対象です。
  • 支給額:休業開始時賃金日額の50%×支給日数(最初の180日は67%)となります。

※休業開始時賃金日額は正式な計算式がありますが割愛します。

手続きは、会社が行う方が望ましいでしょう。原則2か月に1回「育児休業給付金支給申請書」の提出が必要となります。うっかり申請期限を過ぎた場合は支給されないので注意が必要です。

また、申請には労働者の署名・捺印が必要なため、会社は労働者の自宅に書類を送付して返送してもらうという流れをとっている場合が多いと思いますが、書類を紛失したり、返送が遅れたり、更には郵便物が届いていないというケースがないよう、会社・労働者ともに注意が必要です。

※今回取り上げた内容は「育児介護休業法」に基づくものですが、改正が多く内容も変わりますので、ご注意ください。

次回はいよいよ最終回。復職後の決まりごとを中心にご紹介します!

プロフィール

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片山 あゆ美
片山 あゆ美

小樽市出身 郵便局、税理士事務所に勤めたのち、平成23年石狩市に片山あゆ美社会保険 労務士事務所を開業。
平成20年から不妊治療を開始し、現在も治療と並行しながら企業の人事労務相談、年金相談やがん患者の就労支援などを中心に、親しみやすい事務所を心掛けて活動中。

  • 特定社会保険労務士
  • NPO法人Fineサポートメンバー 札幌支部
  • 一般社団法人 社労士成年後見センター北海道会員

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