妊娠・出産・育児に関する法律 「年休」とは?

知っ得!妊娠・出産・育児のための法律

今回は妊娠・出産・育児に関する法律にはどのようなものがあるか、ご紹介しましょう。
「働き方」「働かせ方」にはルールがあり、働き始めてから退職までのあらゆる場面でさまざまな法律が適用されます。また、子供を産み育てる女性労働者を支援する制度も整ってきています。では具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

「知っとく!」な法律たち

  1. 労働基準法

  2. 労働契約法

  3. 労働安全衛生法

  4. 育児・介護休業法

  5. 男女雇用機会均等法

  6. パートタイム労働法

  7. 雇用保険法

  8. 健康保険法・厚生年金保険法

こんなに沢山覚えられない!なんて声が聞こえてきそうですね。すべてを覚えるのは大変かもしれませんが、特に覚えておきたいところを押さえていきますので、ご安心を!企業の方も働いている方も「知って得した〜!知っとく!」と思っていただき、役立てていただけければ嬉しいです。

「妊娠」に向け、働きながら病院等で治療されている方も多いと思います。私も現在通院中ですが、仕事と両立するって本当に大変ですよね。通院時には、年次有給休暇を利用している方も多いと思います。
年次有給休暇は「有給」や「年休」と呼ばれ、広く知られています。今回はこの年次有給休暇(以後年休とします)を少し掘り下げてみましょう。

正社員・パート・アルバイトも取得できる

年休は、労働基準法第39条にて、次のように決められています。
「使用者は雇い入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10日の有給休暇を与えなければならない」
その後は8割以上の出勤の条件を満たしている限り、1年ごとに休暇の日数は増えていきます。(上限20日)

労働基準法は、職種・業態にかかわらず、また、正社員・パート・アルバイトなどの名称を問わず、全ての労働者に対して適用されるルールです。よって、少人数の会社でも、アルバイトでも年休を取得することができます。(パート・アルバイトなどの場合、働く日数や時間に応じた年休の日数となります。)

休む理由は何でもOK

年休は、原則として休養のためでもレジャーのためでも、利用目的を問われることなく取得することができます。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合に限り企業側は休暇日を変更させることができます。

通院が理由の場合、「何と会社に伝えて休みをもらおうか・・・」と年休を申請するのが憂鬱になったことはありませんか?でも本来、年休を申請する際に理由を述べる必要はないのです。しかし実際には企業側もそのことを知らない場合が多いため、理由を聞かれることも多いようです。「答える必要はありません」という対応をしてしまうと、働く環境を悪くしてしまう可能性もありますので、予め上手な対応のしかたを準備しておくといいでしょう。

「年休はいつまでに申請しなければならないのか」と質問されることがありますが、実は申請の期日について、法律での定めというのはありません。ただ企業によっては、就業規則などで「5日前まで」「3日前まで」など、独自に決められている場合もありますので、確認しておくとよいですね。

企業にとっても、従業員がリフレッシュすることで仕事の能率アップにつなげてもらいたい「年休」ですが、申請のルールなどでトラブルになってしまっては本末転倒です。「年休」を上手に活用できる環境づくりのため、年休の申請書、就業規則等の規定を一度見直してみてはいかがでしょうか。

プロフィール

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片山 あゆ美
片山 あゆ美

小樽市出身 郵便局、税理士事務所に勤めたのち、平成23年石狩市に片山あゆ美社会保険 労務士事務所を開業。
平成20年から不妊治療を開始し、現在も治療と並行しながら企業の人事労務相談、年金相談やがん患者の就労支援などを中心に、親しみやすい事務所を心掛けて活動中。

  • 特定社会保険労務士
  • NPO法人Fineサポートメンバー 札幌支部
  • 一般社団法人 社労士成年後見センター北海道会員

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