妊活期間は”長い人生の中の一部”

妊活を“ブランク”にしないコツ

これまで、「妊活をがんばろうとすればするほど、人生のブランク(空白期間)が生まれてしまう可能性」や、「妊活とうまくつきあうためのサポート情報」「職場やパートナーとの関係づくり」についてお話ししてきました。

妊活が思うように進まないときは、色々考えることが多くなります。
自然と妊娠し、家族が増え、当たり前のように感じられる毎日を家族達と過ごす。そんな将来設計を描いていたのに・・・。こんな風に考えたことはありませんか?

私自身は、妊活を続けることは、「夫婦ってなんだろう」とか「子どもをもちたい、育てたいという気持ち」を、真摯に考え続けることなのだなぁと感じていました。妊活を前向きにがんばる自分や、大変だなぁと感じる自分、色々な自分をみつめ、どうにかこうにかやり過ごし(笑)、そして、「今」があります。

妊活中の大変な経験。できれば、こんな経験をせずにすんでいたら・・・。でも、経験したからこそ今の私がいるのも事実。悩みに悩んで、妊活から離れ、新たに仕事を始め、公私ともにあわただしくも充実した日々は、かけがえのないものです。

最終回の今回は、カウンセリング等でたくさんの妊活経験者との出会いから感じた、「妊活期間を人生のブランクにせず、自分らしいライフキャリア(生き方)を手に入れるため」のヒントをご紹介したいと思います。

何歳からでも何かを始めることができる。そのためのエネルギーをみんなもっている。

妊活中はがんばろうとするほど、通院と仕事との両立に悩んだり、努力しても思うような結果が得られないことが起こりがち。自分の将来の方向性に不安を覚える瞬間や、自分にとって大切な何かを手放さなくてはならない場面に出会うことも。
そういう時には、心細くて、まるで出口が見えないトンネルにいるかのようです。
でも実は、妊活期間が終わってからの人生は長いのです!

妊活の仲間やちょっと先行く人生の先輩、今がんばっている人との出会いを通じていつも思うことがあります。
人はみんな、「その人らしいエネルギー」を胸の奥に持っている。困難な時期が過ぎると、それはシアワセのタネに変わり、やがて芽を出すのだと。

その時のために、自分が自分らしくいられる時間を大切に過ごして欲しいなと思います。仕事でも趣味でも、夫婦二人の時間でも。生活のすべてで妊活を優先するのではなく、「今できること」、「シンプルに楽しいと感じること」を、ちょっとずつ積み重ねてみてはどうでしょう。

・野菜や花を育ててみる。

・思いっきり自転車で遠出をしてみる。

・編み物や刺繍にじっくり取り組んでみる。

・ボランティア活動をのぞいてみる。

・前からやってみたかった勉強にチャレンジする。

・夫婦で、妊活のためでなく、二人のための旅をする。

・気になるアルバイトをやってみる。

妊活の間に体験したこと、手放さず大切にしたことが、いずれ熟成し、その後の人生の深い味わいとなってあらわれる。それは、今は見えないかもしれませんが、あなた自身の、そして、大切なパートナーとの人生に大切なものになるでしょう。

プロフィール

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Real name: 
中辻 尚子
中辻 尚子

大学卒業後、販売企画や、研修企画業務に従事。「計画的」に人生を歩んでいた・・・はずが、不妊治療をきっかけにキャリアの見直しを迫られることに。
現在は、カウンセリングや、講演、ワークショップなどを通じて、不妊当事者への“ライフキャリア・サポート”をキーワードに活動中。
2014年女性の健康とワーク・ライフ・バランス アワード 奨励賞受賞
ハチドリキャリア:http://www.hachidori-c.com/index.html

  • NPO法人Fine認定 不妊ピア・カウンセラー
  • 米国CCE.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
  • 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー
  • NPO法人メノポーズ協会認定 女性の健康推進員

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