2016/03/07 up!
晩婚化・高齢化になっても、生物としての妊孕力(妊娠する力)は昔と変わらない
はじめまして。生殖医療コーディネーターの荒木 依理です。
こちらのコーナーでは、私がライターとして所属する Lealta(レアルタ)―ラブ&ハピネスをテーマとしたウェブマガジンで書いているコラムをご紹介していきたいな、と思っています。
Lealta(レアルタ)http://lealta.jp/とは
「忙しい日々の中で見逃してしまいそうな幸せに気づく力を大切にしたい」―幸せを感 じる力、「幸感力™」を磨くのを助けてくれるさまざまな情報、気持ちがワクワク、ほっこりするような素敵な言葉で溢れています。
Lealta(レアルタ)では、主に生殖医療分野を担当し、ライフプランニングや不妊の予防、生殖医療の現状などについてお話させて頂いています。
「時代やライフスタイルは変わっても、変わらない私たちの妊孕力。
婦人科のかかりつけ医をもとう!」
レアルタコラムより引用
先日、こんなコラムを書きました。「妊孕力(にんようりょく)」とは女性の生殖能力(妊娠する力)のこと。芸能人の高齢での出産報告など耳にすると、それが一般的なことのように錯覚してしまいがちですが、本来女性の妊娠適齢年齢は 18-30歳であると言われています。
このコラムで一番お伝えしたかったのは「晩婚化・高齢化になっても、卵子の寿命は変わらず、 生物としての妊孕力(妊娠する力)は昔と変わらない」という点です。
時代は流れ、ライフスタイルは変わったのに、加齢によって妊孕力は落ちていくという大切な情報は置き去りのまま、ここまで来てしまったように思います。
そして、この大切な情報を、知っているのと知らないのとでは、将来妊娠しなかった場合の反応が変わってくるのです。
知っているのと知らないのとでは大違い。
では、どのように反応、受け止め方が変わるのでしょうか。
ある女性が「子どもはほしいけど、タイミングは今ではない。」と考え、自分で働き方や生き方を決めたとします。その後、充実した時を過ごし「今がタイミング」と妊活をスタートしたとしましょう。
●「今産まないと一生子供ができないかもしれない。けど、今はいい。」(妊孕力について知識がある。知っている。)
⇒「やっぱりなかなか妊娠できないけど、そうだよね。」
実は、私もこう考えています。加齢により今産まないと生涯子供を持てない可能性があると知った上で、人生の選択として、積極的に仕事をしていた方が自分らしく幸せであると感じ、家族をもたず100%仕事にフルコミットという選択をしてきました。先のことはわかりませんが、いずれにしても後悔はないだろうと思っています。
●「将来は子供が欲しいし作るつもりだけど、今はいい」(妊孕力について知識がない。知らない。)
⇒「全然できない!なぜ!?こんなつもりじゃなかったのに!」
現場で一番よく聞く声です。晩婚という理由も含め、妊孕力の低下を知らず仕事や夫との時間を優先し、いざ作ろうと思ったらできないというケースが多いのです。治療を受けたら必ず妊娠すると思っている方々も多く、治療に専念するためにキャリアを捨てたのにと号泣される方もいました。このような場合、突然に子供ができない可能性を前にしても、なかなか受け入れることは難しいように感じます。
もし初めから知っていて、
自分で選ぶことができていたら…
同じ”子供がいない”という状況でも、この2つは大きな違いだと思います。
もし初めから知っていたら……
私が来院された方々から聞いて辛いのは「知らなかった」「こんなはずでは……」という言葉です。情報をお伝えできていなかった悔しさや申し訳なさから、日々「知らなかったをなくしたい」という思いを強く持ち、皆様の将来のライフプランに大切な情報を事前にお届けできるよう尽力することを志としています。
一度きりの人生、1人でも多くの方が自分らしい選択ができ、幸せな毎日を過ごせたらいいなと願っています。