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不妊治療はどうやってスタートすればいいの?

24人に1人は体外受精、顕微授精で産まれている

日本生殖医学会に掲載されている ART データ集によれば、「生殖補助医療」と言われる体外受精・顕微授精による胚移植で生まれた赤ちゃんの人数は年々増え、2013年の最新データによると、24人に1人という割合になっています。

上記のグラフを見てみると、黄緑色の「凍結胚移植」で生まれた赤ちゃんの人数が大きく増えてきていますね。
凍結胚移植とは、体外受精や顕微授精で得た赤ちゃんのもとになる受精卵(胚)を一旦凍結して、後で解凍して戻す方法です。

凍結胚移植は次のような場合に行われます。

治療施設って何をするところ?

まず、ホルモンの血液検査や、子宮や卵巣に異常がないか、ご主人の精子に問題がないかなどを調べます。検査で問題が見つかれば治療をしたり、超音波で毎月の卵胞(卵子の入っているふくろ)の成長やホルモン状態を調べて性交渉を持つタイミング療法や、人工授精や生殖補助医療の選択をすることがありますが、特に異常がないか調べるだけでもよいのです。
施設によっては、カウンセリングや相談室、来院者間のグループワークなども充実しており、周りには相談しにくいような性の問題、ご夫婦のパートナーシップについての相談などができる場所でもあります。

晩婚化・高齢化になっても、生物としての妊孕力(妊娠する力)は昔と変わらない

「時代やライフスタイルは変わっても、変わらない私たちの妊孕力。
婦人科のかかりつけ医をもとう!」

「妊孕力(にんようりょく)」という言葉をご存じでしょうか? これは、女性の生殖能力(妊娠する力)と考えてもらってよいと思います。メディアでは芸能人の高齢での出産報告など耳にしますが、本来女性の妊娠適齢年齢は 18-30歳であると言われています。

レアルタコラムより引用

先日、こんなコラムを書きました。「妊孕力(にんようりょく)」とは女性の生殖能力(妊娠する力)のこと。芸能人の高齢での出産報告など耳にすると、それが一般的なことのように錯覚してしまいがちですが、本来女性の妊娠適齢年齢は 18-30歳であると言われています。

知っているのと知らないのとでは大違い。

では、どのように反応、受け止め方が変わるのでしょうか。

ある女性が「子どもはほしいけど、タイミングは今ではない。」と考え、自分で働き方や生き方を決めたとします。その後、充実した時を過ごし「今がタイミング」と妊活をスタートしたとしましょう。

●「今産まないと一生子供ができないかもしれない。けど、今はいい。」(妊孕力について知識がある。知っている。)
  ⇒「やっぱりなかなか妊娠できないけど、そうだよね。」

実は、私もこう考えています。加齢により今産まないと生涯子供を持てない可能性があると知った上で、人生の選択として、積極的に仕事をしていた方が自分らしく幸せであると感じ、家族をもたず100%仕事にフルコミットという選択をしてきました。先のことはわかりませんが、いずれにしても後悔はないだろうと思っています。

「将来は子供が欲しいし作るつもりだけど、今はいい」(妊孕力について知識がない。知らない。)
  ⇒「全然できない!なぜ!?こんなつもりじゃなかったのに!」

もし初めから知っていて、
自分で選ぶことができていたら…

同じ”子供がいない”という状況でも、この2つは大きな違いだと思います。

もし初めから知っていたら……

私が来院された方々から聞いて辛いのは「知らなかった」「こんなはずでは……」という言葉です。情報をお伝えできていなかった悔しさや申し訳なさから、日々「知らなかったをなくしたい」という思いを強く持ち、皆様の将来のライフプランに大切な情報を事前にお届けできるよう尽力することを志としています。

一度きりの人生、1人でも多くの方が自分らしい選択ができ、幸せな毎日を過ごせたらいいなと願っています。

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