パパとママが子供を育てながら働くために

知っ得!妊娠・出産・育児のための法律

今回は「知っ得 妊娠・出産・育児のための法律」の最終回です。
出産や育児でお休みしていた従業員が仕事に復帰する場合、仕事と家庭が両立できるよう、さまざまな決まり事があります。従業員と企業の両方に知っていただき、スムーズに復職出来るよう役立ててくださいね。

1. 休憩が多くもらえる

育児時間~生後1年に達しない子を育てる女性は、通常の休憩時間とは別に、1日2回、各少なくとも30分の育児時間を請求することができます。

2. 短時間勤務制度を利用することができる

企業は、3歳未満の子を育てる一定の従業員(1日の所定労働時間が6時間以下でないことなどの条件があります)について、希望すれば利用できる短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則1日6時間とする措置)を設けなければなりません。

 

3. 所定外労働の免除

企業は、3歳未満の子を育てる一定の従業員(2と同様条件があります)が請求した場合は、所定外労働をさせてはいけません。(事業の正常な運営を妨げる場合を除く)

●所定外労働・・・企業において決められた労働時間を超えた労働

また、子が3歳以上となったら、次の4を利用することができます。

4. 時間外労働・深夜業の制限

小学校入学前の子を育てる一定の従業員から請求があった場合は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働及び深夜業をさせてはなりません。

5. 子の看護休暇

小学校入学前の子を育てる従業員は、申し出により、年有給休暇とは別に、子が1人までなら年5日まで、2人以上なら年10日まで、病気やケガをした子の看護、予防接種及び健康診断のために、休暇を取得することができます。
子どもはよく急に熱を出したり、病気になったりしますので、こちらを取得することが可能です。(ただほとんどの場合無給となりますのでご注意ください。)

法律はたびたび改正されていきますので、ご注意ください。

これまで6回に渡り、妊娠期から復職にかけて知っておいてほしい法律や制度などについて、解説してきました。

もちろんこれらの法律は従業員の権利です。しかし職場において、上司や部下、同僚などお互いの協力は不可欠です。出産のみでなく、病気や介護など個々の状況に応じて、さまざまな法律を利用して互いに協力し合って働いていく必要があります。常に周囲への配慮を忘れないで権利を行使していただきたいと思います。


これまで閲覧していただきありがとうございました。みなさまが、人生の一大イベントである「出産」を迎えるに当たり、多様な働き方や生き方を選択するための一助となれば嬉しく思いますし、企業にとっても貴重な人材を手放すことのないような職場づくりに役立てていただけたら幸いです。

プロフィール

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Real name: 
片山 あゆ美
片山 あゆ美

小樽市出身 郵便局、税理士事務所に勤めたのち、平成23年石狩市に片山あゆ美社会保険 労務士事務所を開業。
平成20年から不妊治療を開始し、現在も治療と並行しながら企業の人事労務相談、年金相談やがん患者の就労支援などを中心に、親しみやすい事務所を心掛けて活動中。

  • 特定社会保険労務士
  • NPO法人Fineサポートメンバー 札幌支部
  • 一般社団法人 社労士成年後見センター北海道会員

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