働く女性が安心して出産するための法律

知っ得!妊娠・出産・育児のための法律

妊娠・出産は女性にとっても男性にとっても大きなイベントですね。仕事を続けながら出産するのは厳しいと思う方もいるかもしれませんが、法律では働く女性が安心して妊娠・出産できるよう、さまざまな規制があるんです。将来安心して妊娠・出産することができるよう、ぜひチェックしてください。

法律は妊婦の味方!

では、妊娠した女性のために、どのような法律があるのか具体的にみていきましょう。


ハードワークだから仕事を続けるのはキツいと思っている方は、ぜひ次のことを頭にいれておいてください。

  • 事業主は、妊婦から請求があった場合は、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
  • 事業主は、妊産婦から請求があった場合は、時間外労働・休日労働・深夜業をさせてはいけません。
【労働基準法第65条・66条】

 

フルタイムで勤務をしていると病院に行く時間がとれない、上司に言いづらいという方は、ぜひ次のことを頭にいれておきましょう。

  • 事業主は、妊産婦のための保健指導・健康診査を受診するために必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。
    • 妊娠23週まで:4週間に1回
    • 妊娠24週から35週まで:2週間に1回
    • 妊娠36週以後、出産まで:1週間に1回
      ※出産後は医師等が指示した必要な時間を確保しなければなりません。
  • 事業主は、妊娠中及び出産後の女性労働者が医師等から指導を受けた場合は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければなりません。
【男女雇用機会均等法第12条・13条】

いよいよ出産間近!お休みっていつからもらえるの?

さて、いよいよ出産間近となりました。産前はお腹が重く疲れやすい時期となり、仕事に就くことが難しくなってきます。そのため、仕事を休むことが出来るよう「産前休業」という制度があります。

産前休業は、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から請求により取得できます。自動的に休業が与えられる訳ではなく、請求した場合にお休みできる制度ですね。

産前の休業中は、一般的にノーワークノーペイ(働かなければ給料も発生しない)により、給料は支払われない場合が多いです。最近までこの期間は給料が支払われなくても、社会保険料は引かれていたのですが、平成26年4月以降、申請することで、社会保険料の労働者負担分・会社負担分のどちらも免除されることとなりました。(ご自分が会社の全国健康保険協会に加入している場合です。それ以外の方はご加入の保険者に確認してください。)

働きながら出産するために大切なこと

働きながら『出産』という大きな仕事をするには、妊娠がわかったら出産予定日や休業の予定を早めに会社に伝えることが大切です。
早めに伝えることで、働き方について予め一緒に検討したり、さまざまな手続きや準備をスムーズに行うことができますし、会社は欠員時の人材確保などを早めに講じることができます。本人だけでなく他の労働者も安心して働ける環境を作れることが大切ですね。

プロフィール

メンバー 片山 あゆ美 の写真
Real name: 
片山 あゆ美
片山 あゆ美

小樽市出身 郵便局、税理士事務所に勤めたのち、平成23年石狩市に片山あゆ美社会保険 労務士事務所を開業。
平成20年から不妊治療を開始し、現在も治療と並行しながら企業の人事労務相談、年金相談やがん患者の就労支援などを中心に、親しみやすい事務所を心掛けて活動中。

  • 特定社会保険労務士
  • NPO法人Fineサポートメンバー 札幌支部
  • 一般社団法人 社労士成年後見センター北海道会員

現在地