妊娠しやすい体づくり(食事編)

おぼえがき
  • nin編集部 = 文
  • カワカミサエコ = 題字・イラスト

妊活・不妊治療中の方、いつかは子供がほしいと思っている方が気になるのが「妊娠しやすい体づくり」。たとえ今はパートナーがいないという人でも、子供が欲しいと思ったときに授かれるように、今から準備をしておきましょう。

では、具体的に妊娠しやすい体とはどのような状態のことをいうのでしょうか?今回は食事からみていきましょう。

一番よくないのは「食べないダイエット」です。野菜しか食べない、こんにゃくしか食べない、スープしか食べない。これでは必要な栄養素はとてもとれません。やせすぎは、それだけで不妊の原因にもなるのです。やせすぎている人は無排卵や無月経になってしまうこともあります。美を追求したい気持ちもわかりますが、妊娠したいなら無理なダイエットはやめましょう。
※もちろん、太り過ぎも不妊のもとですから、ほどほどに。

たんぱく質をこまめにとる

わたしたちの体をつくっている主役の栄養素にたんぱく質があります。お肉やお魚、大豆製品に多く含まれていますが、ダイエットをしていると不足がちになってしまいます。たんぱく質は体の中で蓄えておくことができません。ですから、「昨日はお肉をたくさん食べたから(タンパク質と脂質)、今日はそうめん(炭水化物)のみにしよう。」というバランスのとりかたは意味がありませんのでやめましょう。一回の食事の中に毎回タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品などのいずれか)が入るように意識しましょう。卵も良いですね。「おかずは少しでゴハンはたくさん」という人は炭水化物ばかりとってたんぱく質がとれていないかもしれません。

甘い物や炭水化物を控えて糖化を防ぐ

甘いものを控えるのは、美容のためだけではなく妊娠しやすい体をつくるためにも大切なこと。それは「糖」が悪さをするからです。妊娠に大切なのは体を糖化させないことなんです。糖化とは血液中の糖質がタンパク質を焦がしてしまうこと。これは老化の原因になります。血液中の糖質の滞在時間が長いほど、そして血糖値の高い人ほど糖化が進み、妊娠しづらい体になってしまいます。
一番避けたいのは白砂糖の入っているお菓子などですが、糖は砂糖にだけ入っているわけではありません。白米や小麦粉などにも多く含まれています。もちろん、白米を食べるなとは言いませんので、食べ方に少し工夫をしましょう。食べ過ぎたり一気に食べると血糖値の上昇が急激になり糖尿病のもとにもなりますから、ゆっくりと食べましょう。また、食べる順番を「野菜⇒おかず⇒お米」にかえるだけでも効果があり、食べ過ぎも防げます。いつもの白米や白パンを、たまに玄米やお蕎麦に変えるのもいいですね。どうしてもお菓子が食べたければ手作りはいかがですか?「こんなにお砂糖が入っているの?」とビックリするかもしれません。手づくりならお砂糖の量を自分で調整して控えられるのが良いですね。

ビタミンEで体のサビをとる

アンチエイジング効果でしられるビタミンEは、アーモンドやヘーゼルナッツ、ウナギやアボガドなどに多く含まれています。妊娠しやすい体をつくり、妊娠中や出産後も女性の体をサポートしてくれます。注目すべきはビタミンEが持つ抗酸化作用です。酸化とは体のサビのようなもの。人の体は生きているうちに血管や内蔵、そして卵子もサビてきてしまいます。そのサビをとってくれるのが抗酸化作用の高い食べ物です。美容に良くて卵子のサビもとってくれるなんてステキな栄養素ですね。妊娠には欠かせない「血流を良くする」効果もありますよ。

油にこだわる

どの油でもとりすぎは良くありませんが、油には種類があります。
控えた方がよい油は飽和脂肪酸(バターなど)と、オメガ6系脂肪酸(コーン油、ごま油など)とよばれるもの。サラダ油であげた揚げ物などは控えめにしましょう。
逆に、もっと摂りたい油はオメガ3系、オメガ9系脂肪酸。あまり聞き慣れないですが、オメガ3系の油はDHAやDPAなど魚の油、亜麻仁油、エゴマ油、シソ油等のことです。
しかしなかなかオメガ3系の油をとることはむずかしく、熱にも弱いのです。そこで炒め物をするときなどは熱にも強いオメガ9系の油を使いましょう。オレイン酸、オリーブオイル、菜種油などがこれにあたります。
またトランス脂肪酸も避けた方が良いと言われています。トランス脂肪酸とは人工的に加工されたもので、マーガリンや市販されているレトルトやインスタント食品に入っていることが多いです。日本ではまだグレーな部分もありますが、動脈硬化、心臓疾患の原因となる可能性があるともいわれています。アメリカでは排卵障害と関連性があるという報告もありあるようですから、なるべく控えて、油は天然のもの、とくにオメガ3、9のものを取るようにしましょう。

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