妊活の"ブランク"って?

妊活を“ブランク”にしないコツ

Fineのピア・カウンセラーとして、そしてキャリアカウンセラーとして 「妊活当事者へのライフキャリア・サポート」をテーマに活動している、なかつじです。
このコラムでは、妊活生活を充実した期間にしていくために知っておきたい「コツ」についてお知らせします。

妊活中に起こりえる“ブランク”ってなんでしょう?治療を始めると、人生にどのようなことが起こる可能性があるのでしょうか。

仕事をしていても、していなくても、妊活を始めると生活に大きな変化が表れます。広く言うと“生き方”が変わります。
たとえば、通院中心の生活になることもそのひとつです。

通院は、生理周期に合わせて月に何度も通ったり、時には急に必要となったりします。そのため、仕事やその他の予定との調整に苦労することも、よく起こります。
そんな風に時間もお金もかけて、何より「子どもが欲しい」という熱い気持ちがあるからこその治療です。他の事よりも妊活を優先してがんばりたいと思うのは、自然なことだと思います。

でも、ちょっと考えてみてください。

たとえば育児は、5年後10年後に、自分が、そして家族がどんな風になっているか、ある程度想像したり将来設計を立てたりすることができます。

でも妊活はというと、残念なことですが、それがいつまで続くのか、1年後、数年後には妊活しているのか、いないのか、イメージできないことが多いのです。

もちろん、早くに妊活がうまくいくことがベストです。しかし、実際はそうはいかないことも、残念ながらよくあります。

私は34歳の時、やりがいのある仕事を、悩んで、悩んで、退職しました。 妊活を優先した生活は、仕事をしていたときと比べ、断然ラクにはなりました。 でもその一方、仕事がなく普段の生活が通院中心であることに不安を感じたのも事実です。 妊活は、がんばった分だけ効果がある、 上手くいく、というものではありません。 

妊活の結果に関わらず、妊活やその後の子育てで一生懸命な“ある一時期”を過ぎた後には、「自分は、何をして生きていくのか」という問いに出会います。 その時、あなたがあなたらしく、生き生きと暮らせるために、 妊活をがんばっている時期を、“ブランク(空白)の期間”にしないことが大切です。

妊活だけでない、“自分らしさ”“普段の生活”“仕事”“趣味”を大切に。 そのために、どう過ごしたらいいのか、必要なことってなんだろう、 そんなことを、このコラムで考えてみたいと思います。

次回は「様々なサポートを使いこなそう」というタイトルでお伝えします。

プロフィール

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Real name: 
中辻 尚子
中辻 尚子

大学卒業後、販売企画や、研修企画業務に従事。「計画的」に人生を歩んでいた・・・はずが、不妊治療をきっかけにキャリアの見直しを迫られることに。
現在は、カウンセリングや、講演、ワークショップなどを通じて、不妊当事者への“ライフキャリア・サポート”をキーワードに活動中。
2014年女性の健康とワーク・ライフ・バランス アワード 奨励賞受賞
ハチドリキャリア:http://www.hachidori-c.com/index.html

  • NPO法人Fine認定 不妊ピア・カウンセラー
  • 米国CCE.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
  • 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー
  • NPO法人メノポーズ協会認定 女性の健康推進員

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